この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
素直になれなくて
第9章 愛の行方
浅井は、飯島社長から教えられた公園に着いた。
公園には、数人の親子や子供達の姿があった。
浅井は公園の中を見回し、見覚えのある後姿を見つけた。
「悠里……だよな。」
スーツ姿の見慣れた悠里とは違い、ラフなシャツにジーンズ姿。しかも。
「何であんなに痩せちまってるんだ。」
浅井は堪らず悠里に近づいて声をかけた。
「いつまで、隠れん坊するんだよ。」
背後から聞き覚えのある声がして、悠里は驚いて振り返った。
「あ……浅井……」
「何で……こんな痩せちまって……」
浅井は堪らず悠里を抱きしめた。
悠里は、泣きそうだった。この温もりをどれだけ求めていたか……
抱きしめられて、思い知る。浅井への溢れる想い。
「浅井……どうして……ここに……」
「飯島社長が、見かけたと教えてくれた。」
「飯島社長が?」
「隠居して、この近くに住んでる。」
悠里は、浅井を見つめた。
「浅井も、少し痩せた?」
「誰の所為だよ。全く……」
浅井は、もう一度悠里をきつく抱きしめた。
「迎えに来た。何が何でも一緒に帰って貰うからな?」
「浅井、それは出来ないよ。」
「どの子だよ?」
悠里の言葉を遮る様に言った。
「浅井?」
「ああ、待って、俺が当てるから。」
そう言って、子供達が遊んでいる砂場へ歩いて行く。
浅井……知ってるの?
悠里は、浅井の背中を見つめた。
浅井は、しゃがんで子供達の事を見ている。1人の小さい男の子が浅井を見つけて、ジッと見つめている。
「……田坂……」
その男の子はニッコリと笑うと、浅井の方へ走って来た。
浅井は堪らず、その男の子を抱きしめた。
「おじたん、だあれ?」
「ん、ママの友達だよ。」
「ママの?」
浅井は、腕の中で喋っている男の子に、心の中で言った。
田坂……お前、帰って来たんだ。
この姿になって……悠里を守ってたのか。
「おじたん、泣いてるの?」
「ああ、嬉しいんだ。お前と会えて。」
そう言うと、浅井はその男の子を抱き上げた。
悠里は、両手を口にあてて、ポロポロと泣いていた。
「悠里、田坂にそっくりだな?」
「浅井……」
悠里は、泣いている浅井に抱きついた。
「悠里……良く1人で頑張ったな。」
悠里は、コクリと頷いた。
/147ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ