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素直になれなくて
第9章 愛の行方
「あーママ泣いてる。」
男の子は、悠里に手を差し伸べる。
悠里は、優しく抱きしめた。
「……名前は?」
「浩斗だよ。ヒロくんと浅井から一文字ずつもらったの。」
浅井は、嬉しそうに笑う。
「よし、浩斗。今日から俺がパパになってもいいか?」
「えーっ!パパ?僕のパパになってくれるの?」
「ああ。」
浩斗は、悠里の腕から降りると、浅井の周りを走り回った。
「浅井……それは……」
「お前が断っても、俺はこいつの父親になるからな。」
浅井は軽々と浩斗を抱き上げた。
「全く…どれだけ探したか、お前知らないだろ?」
悠里は知っていた。浅井が探してくれていたのを。見つかりそうになる度に、住む場所を変えた。なるべく知らない土地を選んで。
「この辺りだって、何回も探したんだ。でも見つからなかった。」
「浅井に迷惑かけたくないの。」
浅井は、悠里の唇にキスをした。
「俺が一緒に居たいの。わかる?」
「浅井……」
「なあ、俺の事好きだろ?」
浅井は、真剣な表情で悠里を見つめた。
悠里は、黙ったまま、浅井を見つめた。
「きっと後悔する。」
「何でだよ。後悔なんかするかよ。馬鹿っ……」
浅井は、悠里のおでこを小突いた。
「いいから悠里、好きだって言えよ?」
浅井の瞳には、迷いなど無かった。
悠里は気付いていた。きっとこの手を一度取ってしまったら、もう二度と離せなくなると。
躊躇している悠里の手を、浅井は握りしめた。
「悠里……俺はしつこいよ?なあ、頼むよ?」
浅井のしつこさは知ってる。
10年前振ってから今日まで、悠里の事を思ってくれている。
悠里は優しく微笑むと、背伸びして浅井の頬にキスをした。
「大好きだよ。浅井……」
浅井は、浩斗を抱き上げたまま、もう片方の手で悠里を抱き寄せる。
「俺もだよ。悠里。」
浅井は、悠里の唇に唇を重ねる。ゆっくりと舌を絡めてキスをする。3年ぶりに触れた唇は、あの頃と変わらない。浅井の愛が身体の中に染み渡ってくる。悠里はそれだけで涙が溢れてくる。
夕暮れの空が、オレンジ色に輝いている。
浅井は、悠里を抱き寄せ、頭を撫でた。
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