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素直になれなくて
第10章 門出
「お待たせしました。」
真っ白なドレスに身を包んで現れた悠里を見て、浅井は、呆然と立ち尽くした。
「あ…悠里……綺麗だ。」
「ヤダ、浅井、何で泣いてるの?」
「ん。ごめん……何か…………」
浅井は、鞄から田坂の写真を取り出した。
「浅井…それ……」
「いや、此奴、絶対見たいだろうなって……思って…」
悠里も、思わず涙目になった。
「お前のドレス姿は、此奴と見たかったから。」
悠里の頬に涙が伝う。
「田坂……俺、悠里を幸せにするからな。」
「浅井……」
「世界一、幸せになろうな。悠里。」
悠里は、優しく微笑みながら、何度も頷いた。


幾つか、店員と打ち合わせを済ませ、店を後にした。
「ね、もしかして、恵美ちゃんが言ってた、浅井が動いてる別件って……」
「あ、あははは……」
浅井は笑って誤魔化した。
「ごめん、ごめん。どうしてもサプライズにしたくてさ。」
悠里は、浅井を恨めしそうに見つめた。
「でさ、悠里……もう1個、サプライズあるんだけど。」
そう言うと、浅井は頭を掻いてニヤニヤ笑った。

車をしばらく走らせた。浩斗は、庭園ではしゃぎ過ぎて、チャイルドシートでスヤスヤ眠っている。
悠里は、浅井とたわいもない話をしながら、ドライブを楽しんでいた。
「ほい、着いたぞ。」
浅井が車を止めた場所には、まだ何も建っていない更地の状態の土地が目の前に広がっていた。
「ここにさ、家建てようぜ?」
悠里は、目を丸くした。
「た、建てようぜって簡単に……」
「土地はもう買ったから。」
「買ったの?もう?いつの間に??」
悠里は、目の前に広がる土地と、浅井の顔を交互に見ている。
「ここからなら、車で通勤すれば30分位だし。小中学校も近いしさ。」
悠里は、深呼吸をした。心臓に手を当てている。
「悠里??大丈夫?気に要らなかった?」
「……気に要らなかったらどうするの?」
浅井は、口をパクパクして、目を白黒させながら考えている。
「あ、他の場所探そうか?売っちゃえばいいんだから。」
しどろもどろになる浅井の肩に手をやると、悠里は頬にキスをした。
「嘘だよ。浅井。」
浅井は、悠里の笑顔を見てホッとした。
「あ……良かった。」
「ごめん。凄く嬉しい。」
悠里は、浅井の肩に凭れ掛かる。
「何か、浅井には貰ってばっかりで……申し訳ない……」
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