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素直になれなくて
第1章 新入社員
第一会議室。田坂と里内は資料を並べていた。
「なんで?」
里内は突然、田坂につっかかる。
「は?」
「なんで〝悠里先輩〟?」
昨日までは、山城さんだったのに、1日で悠里先輩になった理由がわからなかった。
「ああ、色々とあってね。」
「ズルい…」
里内は口を尖らせた。
「なんでだよ?」
「いいもん、私も後で頼んでみよう!」
「怒られるだけだと思うぜ。」
田坂は、勝ち誇ったように笑うと、残りの書類を並べた。
悠里は、珍しく昼時に社に残っていたので、新人2人を連れてランチに来ていた。
「私も、悠里先輩って呼びたいです!」
里内が、キラキラした眼差しを悠里に向けた。
田坂は断られると思って鷹をくくっていた。
「え、いいよ?」
「本当ですか?嬉しい!!」
里内は頬をピンクに染めて喜んだ。
「え、じゃ、私も麻里ちゃんで良いかな?」
「えーーっ、感動です!下の名前で呼んで頂けるなんて……」
里内は瞳が潤んでいた。
「俺には、山城って呼べって怒ったくせに…」
「ん…何か文句あるの?」
悠里に言われ、
「あります。」
と田坂は答える。
「里内が麻里ちゃんなら、俺も下の名前で呼んでくださいよ?」
「ムリ!」
「なんで?浩樹でもいいし、ヒロ君でも良いですよ?」
「田坂くんは田坂くん!」
「ズルいよ!」
田坂は不貞腐れる。そんな田坂を見て、クスクスと笑う悠里。
「いつの間に、そんなに仲良くなったんですか?」
里内は明らかに距離が縮まった2人を怪訝そうに見る。
「オレら、お隣さんだったんだ。」
「え?そうなの?」
羨ましい…里内は心の中で呟いた。
「麻里ちゃんは?」
「社員寮です。」
「そっか、じゃ今度ご飯食べに来なよ?」
恵美も、浅井も、良く来るんだ。なんて話が出て、田坂の顔色が変わる。
「浅井さんも来たことあるんですか?」
「うん、あるよ?」
「2人っきり?」
「あ、それは無いかも?そこらへんは、あの人紳士なんだよね。」
「すみませんね。紳士じゃなくて?」
その発言に、目を丸くしたのは里内だった。
「え、どういう意味??」
「里内、興奮し過ぎだよ。」
「あ、ごめん。」
悠里はクスクスと笑った。
「さ、そろそろ行かないと、午後から外回りなんだ。」
悠里は伝票を持って立ち上がる。
「あ、俺、自分で払いますよ。」
「今日はいいよ。今度からは割り勘ね!」
悠里はウインクして、レジに行った。
「なんで?」
里内は突然、田坂につっかかる。
「は?」
「なんで〝悠里先輩〟?」
昨日までは、山城さんだったのに、1日で悠里先輩になった理由がわからなかった。
「ああ、色々とあってね。」
「ズルい…」
里内は口を尖らせた。
「なんでだよ?」
「いいもん、私も後で頼んでみよう!」
「怒られるだけだと思うぜ。」
田坂は、勝ち誇ったように笑うと、残りの書類を並べた。
悠里は、珍しく昼時に社に残っていたので、新人2人を連れてランチに来ていた。
「私も、悠里先輩って呼びたいです!」
里内が、キラキラした眼差しを悠里に向けた。
田坂は断られると思って鷹をくくっていた。
「え、いいよ?」
「本当ですか?嬉しい!!」
里内は頬をピンクに染めて喜んだ。
「え、じゃ、私も麻里ちゃんで良いかな?」
「えーーっ、感動です!下の名前で呼んで頂けるなんて……」
里内は瞳が潤んでいた。
「俺には、山城って呼べって怒ったくせに…」
「ん…何か文句あるの?」
悠里に言われ、
「あります。」
と田坂は答える。
「里内が麻里ちゃんなら、俺も下の名前で呼んでくださいよ?」
「ムリ!」
「なんで?浩樹でもいいし、ヒロ君でも良いですよ?」
「田坂くんは田坂くん!」
「ズルいよ!」
田坂は不貞腐れる。そんな田坂を見て、クスクスと笑う悠里。
「いつの間に、そんなに仲良くなったんですか?」
里内は明らかに距離が縮まった2人を怪訝そうに見る。
「オレら、お隣さんだったんだ。」
「え?そうなの?」
羨ましい…里内は心の中で呟いた。
「麻里ちゃんは?」
「社員寮です。」
「そっか、じゃ今度ご飯食べに来なよ?」
恵美も、浅井も、良く来るんだ。なんて話が出て、田坂の顔色が変わる。
「浅井さんも来たことあるんですか?」
「うん、あるよ?」
「2人っきり?」
「あ、それは無いかも?そこらへんは、あの人紳士なんだよね。」
「すみませんね。紳士じゃなくて?」
その発言に、目を丸くしたのは里内だった。
「え、どういう意味??」
「里内、興奮し過ぎだよ。」
「あ、ごめん。」
悠里はクスクスと笑った。
「さ、そろそろ行かないと、午後から外回りなんだ。」
悠里は伝票を持って立ち上がる。
「あ、俺、自分で払いますよ。」
「今日はいいよ。今度からは割り勘ね!」
悠里はウインクして、レジに行った。