この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
素直になれなくて
第1章 新入社員
ピンポーン

チャイムが鳴り、悠里はドアホンを見てため息を吐いた。
「もう、入れないって言ったよね?」
「腹減って死ぬ。」
「知らない!」
ドアホンの通話を切ると、またチャイムが鳴る。
ドアを激しく叩く音がしている。
「借金の取り立てか?もう。」
悠里は、肉じゃがとご飯をタッパーに入れると、ドアに向かった。
ドアを開けると、すかさずタッパーを差し出す。
「ごはん!」
素早く渡して、ドアを閉めようとする。
「あっ!ちょっと、待って!」
田坂はドアに足を入れて、閉まるのを阻止した。
「ちょっ…何してんの?」
「先輩…痛い。」
「当たり前でしょ?大丈夫?」
心配して駆け寄る悠里を、ヒョイと抱き上げると、部屋の中へ入っていく。
「放して!もう、騙したのね!」
「騙してないですよ?本当に痛いです。ズボン脱ぎましょうか?」
悠里は、真っ赤になった。
「脱がないでいい!」
「何、想像してるんですか?」
悠里をソファーに降ろすと、タッパーをテーブルに起き、悠里に覆い被さる。悠里は、両手で田坂を押しやり、必死に抵抗する。
「なんで?昨日はあんなに素直だったのに。」
「もう、昨日は流されただけだから!」
「好きです。」
「は?」
「先輩が好きです。」
「なっ…冗談…」
悠里の表情が曇った。
「本気ですよ。オレ。」
そう言うと、悠里の唇にキスをする。啄むキスを繰り返す。
「止めてよ。」
「止めない。」
「私は、誰も好きにならない……」
「なんで?」
「ダメなの。」
悠里は、泣きながら田坂を跳ね退けると、ベットルームに入り鍵を閉めた。
「先輩?悠里先輩?」
「私…忘れられない人がいるの。」
「その人は?今は?」
「……いない……」
「いないって?」
「……死んだの……」
「先輩、それって……」
「最後まで、側に居るって約束したのに。約束守れなかったの。」
「先輩……」
「だから、誰も好きにならないって決めたの。」
「悠里先輩?ここ開けて?」
「……一人にして……」
田坂は、ドアに手をやり、そのまま拳を握りしめた。
「わかりました。今日は帰ります。夕飯、ありがとう。」
何も言わないドアの向こうの悠里。きっと泣いている。
「ごめんね。悠里先輩。」
田坂はドア越しに謝ると、部屋を後にした。
/147ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ