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素直になれなくて
第1章 新入社員
ピンポーン
チャイムが鳴り、悠里はドアホンを見てため息を吐いた。
「もう、入れないって言ったよね?」
「腹減って死ぬ。」
「知らない!」
ドアホンの通話を切ると、またチャイムが鳴る。
ドアを激しく叩く音がしている。
「借金の取り立てか?もう。」
悠里は、肉じゃがとご飯をタッパーに入れると、ドアに向かった。
ドアを開けると、すかさずタッパーを差し出す。
「ごはん!」
素早く渡して、ドアを閉めようとする。
「あっ!ちょっと、待って!」
田坂はドアに足を入れて、閉まるのを阻止した。
「ちょっ…何してんの?」
「先輩…痛い。」
「当たり前でしょ?大丈夫?」
心配して駆け寄る悠里を、ヒョイと抱き上げると、部屋の中へ入っていく。
「放して!もう、騙したのね!」
「騙してないですよ?本当に痛いです。ズボン脱ぎましょうか?」
悠里は、真っ赤になった。
「脱がないでいい!」
「何、想像してるんですか?」
悠里をソファーに降ろすと、タッパーをテーブルに起き、悠里に覆い被さる。悠里は、両手で田坂を押しやり、必死に抵抗する。
「なんで?昨日はあんなに素直だったのに。」
「もう、昨日は流されただけだから!」
「好きです。」
「は?」
「先輩が好きです。」
「なっ…冗談…」
悠里の表情が曇った。
「本気ですよ。オレ。」
そう言うと、悠里の唇にキスをする。啄むキスを繰り返す。
「止めてよ。」
「止めない。」
「私は、誰も好きにならない……」
「なんで?」
「ダメなの。」
悠里は、泣きながら田坂を跳ね退けると、ベットルームに入り鍵を閉めた。
「先輩?悠里先輩?」
「私…忘れられない人がいるの。」
「その人は?今は?」
「……いない……」
「いないって?」
「……死んだの……」
「先輩、それって……」
「最後まで、側に居るって約束したのに。約束守れなかったの。」
「先輩……」
「だから、誰も好きにならないって決めたの。」
「悠里先輩?ここ開けて?」
「……一人にして……」
田坂は、ドアに手をやり、そのまま拳を握りしめた。
「わかりました。今日は帰ります。夕飯、ありがとう。」
何も言わないドアの向こうの悠里。きっと泣いている。
「ごめんね。悠里先輩。」
田坂はドア越しに謝ると、部屋を後にした。
チャイムが鳴り、悠里はドアホンを見てため息を吐いた。
「もう、入れないって言ったよね?」
「腹減って死ぬ。」
「知らない!」
ドアホンの通話を切ると、またチャイムが鳴る。
ドアを激しく叩く音がしている。
「借金の取り立てか?もう。」
悠里は、肉じゃがとご飯をタッパーに入れると、ドアに向かった。
ドアを開けると、すかさずタッパーを差し出す。
「ごはん!」
素早く渡して、ドアを閉めようとする。
「あっ!ちょっと、待って!」
田坂はドアに足を入れて、閉まるのを阻止した。
「ちょっ…何してんの?」
「先輩…痛い。」
「当たり前でしょ?大丈夫?」
心配して駆け寄る悠里を、ヒョイと抱き上げると、部屋の中へ入っていく。
「放して!もう、騙したのね!」
「騙してないですよ?本当に痛いです。ズボン脱ぎましょうか?」
悠里は、真っ赤になった。
「脱がないでいい!」
「何、想像してるんですか?」
悠里をソファーに降ろすと、タッパーをテーブルに起き、悠里に覆い被さる。悠里は、両手で田坂を押しやり、必死に抵抗する。
「なんで?昨日はあんなに素直だったのに。」
「もう、昨日は流されただけだから!」
「好きです。」
「は?」
「先輩が好きです。」
「なっ…冗談…」
悠里の表情が曇った。
「本気ですよ。オレ。」
そう言うと、悠里の唇にキスをする。啄むキスを繰り返す。
「止めてよ。」
「止めない。」
「私は、誰も好きにならない……」
「なんで?」
「ダメなの。」
悠里は、泣きながら田坂を跳ね退けると、ベットルームに入り鍵を閉めた。
「先輩?悠里先輩?」
「私…忘れられない人がいるの。」
「その人は?今は?」
「……いない……」
「いないって?」
「……死んだの……」
「先輩、それって……」
「最後まで、側に居るって約束したのに。約束守れなかったの。」
「先輩……」
「だから、誰も好きにならないって決めたの。」
「悠里先輩?ここ開けて?」
「……一人にして……」
田坂は、ドアに手をやり、そのまま拳を握りしめた。
「わかりました。今日は帰ります。夕飯、ありがとう。」
何も言わないドアの向こうの悠里。きっと泣いている。
「ごめんね。悠里先輩。」
田坂はドア越しに謝ると、部屋を後にした。