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素直になれなくて
第2章 同期の気持ち
応接室に案内され、若社長の飯島が現れると、開口一番
「あれ?悠里ちゃんは?」
「すみません。山城は体調不良で今日はお休みを頂いてまして。」
「なんだ。じゃ打ち合わせは今度にして。」
「そこをなんとか。家具の納期の打ち合わせだけでも……」
「悠里ちゃんの住所教えてくれたら、いいよ?」
「個人情報なので、それは出来かねます。」
「ふん、隣の人、顔怖いよ?」
浅井はふと田坂の顔を見た。
すごい引きつり笑いになっていた。
「すみません。新人でして。まだ修行が足りなくて。」
「新人ねぇ。名前は?」
「田坂です。」
「ふーん。」
浅井は、田坂の引きつり笑いがさらに酷くなるのを感じた。
限界か…
「すみません。出直してきます。」
浅井はそう言って、頭を下げた。
「そうしてくれ。僕は悠里ちゃんじゃないと、話しないから。」
田坂は怒りの表情になっていた。
浅井は、にこやかに頭を下げると店を後にした。

「なんなんですか!あの若社長!」
「笑ってろって言ったろ?」
ムリですよ!と地団駄を踏んでいる。
「悠里があそこの家具気に入ってるんだ。我慢しろ。」
元々は社長が担当していたが、体調崩して今は入院している。
「社長が退院してくるまでの辛抱だ。」
「大丈夫なんですか?そのうち変な条件とか出したりしませんかね?」
浅井は眉を上げて、田坂を見た。
「食事には誘われたって言ってたけどな?」
「はあ?」
「断ったらしいけど……まあ、一筋縄ではいかないよな。」
田坂の表情は曇ったまま、眉間にシワが寄っていた。
「心配か?」
「逆に心配じゃないんですか?」
「だから、若社長に反感買わないように、努力してるんだろ?揚げ足取られたら、悠里を差し出せとか言いかねない。」
浅井は、溜息を吐くと腕を上げて伸びをした。
「さぁ、今日の外回りは終わりだ。俺は直帰するぞ。」
田坂は、横にいる浅井をじっと見た。
「悠里…まだ居るんですよね?浅井さんの所に…」
「多分な。居て欲しいとは言っておいたけど。」
「襲わないで下さい…」
どの口が言うのか?襲ったのはお前だろ?
「さあ、どうだろうな?」
浅井は笑いながら、改札口を通り抜ける。
「自分は、1度社に戻ります。書類の整理もあるので。」
「今日は、急に声かけて悪かったな?」
「いえ、勉強になりました。」
そう言って、頭を下げると、田坂は浅井と反対のホームへ歩いて行った。
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