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素直になれなくて
第4章 過去の
悠里は、さりげない田坂の優しさを感じていた。
ドアを、スッと開けてくれたり、2人で歩いているとさりげなく歩道側に誘導され、書類や店舗で預かった荷物を、さりげなく持ってくれる。
「田坂くん、荷物重くない?」
「平気ですよ?」
「そう。」
悠里は、女の子扱いされて、少し恥ずかしかった。
「悠里先輩、お腹空きません?」
田坂は、お腹をさすりながら言った。
「そっか、そろそろお昼だね。何食べる?」
「いつもは、どこへ行くんですか?」
「行きつけの定食屋さんがあって。」
「じゃ、そこ行きましょ?」
「いいの?本当に古い食堂だけど。」
「だって、浅井さんとは行くんでしょ?そこに。」
悠里は、コクリと頷いた。
「なら、そこがいいです。」
行きつけの定食屋。
浅井さんと悠里先輩だけの秘密の場所みたいで……嫌だ。
田坂はヤキモチを妬いていた。
「田坂くんがいいなら、行こうか?」
そう言って、いつもの定食屋さんに向かった。

「いらっしゃい!」
席に座ると、お店のおばちゃんがニヤニヤして注文を取りに来る。
「いらっしゃい、悠里ちゃん、今日は彼氏連れかい?」
悠里は、目を丸くして否定する。
「違うよ?会社の後輩ですよ?」
「あら、そうなの?」
悠里はいつもの定食を頼み、田坂は唐揚げ定食を頼んだ。
「唐揚げ、好きなの?」
定食を食べながら、田坂に聞いた。
「ええ。」
好きな物まで、滝島と被るのね……
そんな風にまた重ねてしまった自分を悠里は戒める。
「全力で否定しましたね。」
「え?」
「彼氏のくだり。」
「だって……彼氏じゃないでしょ?……」
「そうですけど。」
田坂は、少し不満そうに悠里を見た。
「外回り、どう?」
悠里は、田坂に聞いた。
「……悠里先輩は、人と接するのが抜群に上手いですよね。」
「そうなの?」
悠里は、キョトンとした顔をして田坂を見た。
「自覚ないんですね。」
田坂は、微笑んで悠里を見つめた。
「人柄なのかな。」
「人柄?」
「人柄と、先輩の限りない努力の賜物で、あの各店舗の人達との関係を築いてるんだなと。」
「悟ってるね。」
「浅井さんは、浅井さんでサバサバしたあの雰囲気と全てを計算して行動してる所が凄いなと。」
「そう、あまり考えた事ないけどね。」
「2人のコンビの力が、各店舗の売り上げの力になっているのが、よくわかりました。」
「それは違うよ?」
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