パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第4章 過去の

田坂くんを振った癖に、他へ行けと言われると腹が立つ。悔しくて……悲しくて……自分で自分がコントロール出来なかった。
「馬鹿みたい…私……」
トボトボと歩いていると後ろから腕を掴まれた。
「悠里先輩、待って！」
振り返った悠里の顔を見て、田坂は驚いた。
「なんで、泣いてるの…？」
悠里の瞳からは大粒の涙が溢れてる。
「知らない。離してっ！」
「嫌ですよ！」
田坂は悠里の腕を掴み、ビルの影に引き寄せた。
「ごめん…」
そう言うと、悠里を抱きしめた。
「失言だった。」
「離して…」
「離さない。」
悠里の頭を引き寄せ、唇を重ねる。舌を差し入れ、悠里の舌を絡め取る。逃げ惑う悠里の舌を追いかけ絡めていく。
悠里の身体の力が抜けて行くのがわかる。
田坂は悠里を抱く腕に力を込めた。
「悠里先輩…」
髪に手を入れ、優しく頭を撫でる。
まだ泣き止まない悠里を抱きしめた。
「渡したくない。誰にも…」
「嘘……」
「嘘じゃないよ。悠里先輩とずっと一緒に居たい。…独り占めしたい……そう想ってるのに……自信ないなんて言って…ごめん…」
悠里は、俯いたままポツリと言った。
「私は……どうすれば良いの……こんなんじゃ………ちゃんと捕まえてくれないと……田坂くんの事……」
好きになって良いのか、わからなくなる……
悠里は泣きながら、田坂の胸をポカポカ叩いてくる。
そんな悠里があまりにも可愛くて、田坂は叩いてくる悠里の手を取り、唇を重ねた。
「離して……」
「離しません。もう二度と他の人の所へ行けなんて言いませんよ。」
「もう、大っ嫌いっ……」
「ごめん…」
「嫌い！」
「……悠里先輩…大好きです。」
「馬鹿っ！」
そう言うと、悠里は田坂の胸に顔を埋めて泣いた。
悠里が泣き止むまで、田坂は悠里を抱きしめていた。