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素直になれなくて
第4章 過去の
「ちょっと、待ってて。」
悠里は、コンビニの化粧室に入っていった。
田坂は、まだ顔が少し赤い。
抱きしめた、悠里の感触がまだ腕に残る……
少しはオレのこと、気になってくれてる。
そう思えて、少し嬉しかった。

悠里は化粧室でメイクを直す。
「私……」
田坂くんが好きなんだ……
ため息を吐く。
もう認めざるを得ない感情が溢れていた。
「落ち着け、私。」
そう言って、鏡の自分に向かって、喝を入れた。

「お待たせ。行こ?」
「はい。」
すっかり仕事モードになった悠里の腕を掴み、さりげなく歩道側に誘導して田坂はニッコリ笑った。
悠里は少し頬をピンクに染めて、その照れを隠すように、足を早めて次の店に向かった。

「あ、おかえり、悠里。」
少し早めに帰ってきた悠里を恵美はニヤニヤして見ている。
「ね?何かあったでしょ?」
「ん?何が?」
「田坂の顔が、行く時と違う。」
こういう時の恵美は、凄く鋭い。
面食らった田坂が慌てて言った。
「何もありませんよ?ね、悠里先輩?」
「うん、何もないよ。」
恵美は2人して否定する所がさらに怪しいと勘繰りながら、席に戻った。
悠里はデスクのメモを確認して、パソコンのスイッチを入れると、今日回った店舗についての報告書を作成する。
田坂は、悠里を見つめながら、優しく微笑んだ。
「やっぱり、何かあった?」
恵美は田坂の側で、囁いた。
「なっ…」
田坂は顔を真っ赤にして、恵美を見る。
「フーン。なるほどね?」
そう言うと、ニヤニヤ笑って田坂を眺める。
「田坂くん?」
ガタッ!
「はいっ!」
悠里が呼ぶ声に異常な反応を示した田坂を見て、恵美はクスクスと笑った。
「恵美ちゃん?あんまり後輩で遊ばないでね?」
恵美が肩を竦めて、デスクに戻ると、悠里は田坂に修繕についての報告書の説明をしてる。
2人の姿を見つめ、ニヤニヤする恵美の側で、不安そうな表情をする麻里がいた。
麻里はスッと立ち上がると、悠里の腕を掴んだ。
「ん?麻里ちゃん、どうしたの?」
「あの、外回りの報告書の件で、聞きたい事があるんですけど。」
「わかった、今行くね?」
「はいっ、お願いします。」
田坂は、ふと麻里と視線があった。
え?睨まれてる?
慌てて視線を外し、悠里の腕を引く麻里に、田坂は言い知れぬ不安を覚えた。

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