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素直になれなくて
第5章 恋人
三軒茶屋の店舗は騒然としていた。
浅井と悠里が到着すると、店長が駆け寄って来た。
「大変です。机と椅子の数が足りなくて……」
「足りないって、どういう事だ?」
「飯島家具に問い合わせたら、数は発注書通りだって。」
「そんな、あり得ない……」
悠里は、発注書のコピーを取り出した。
「発注書の数は、きちんとしてる。」
悠里は、何度も見直した。
「まさか…あの時の事か?」
悠里は、浅井に視線を向けた。
「俺と外回り行った時、田坂、引きつり笑いしててさ。」
「そんな事で、反感を買ったっていうの?」
「それはそうなんだけど。」
その後、悠里と行った時、発注書作ったのが田坂だって知って、やたらと気にしていたのを思い出す。
浅井は、顎に手を当てた。
「悠里を手に入れる為だ。」
「私?」
悠里は、不安な顔を見せた。
こんな事態になるのを避けるために、気をつけていたのに。
浅井は、髪を掻きむしった。
「当て馬にされたんだ。田坂は……」
「そんな。」
「不味いな……」
店長が顔を青くして、浅井と悠里を見ていた。
「とりあえず、飯島家具に行こう。」
悠里は、切羽詰まった表情で浅井に言った。
「だけど、どんな条件出してくるか……」
「先ずは向こうの発注書を確認させてもらう。話はそれからだよ。」
「わかった。」
店長に、とりあえず今ある家具を配置をしておく様に伝えると、2人は店を後にした。
浅井は、社に報告を入れ、最悪は他の家具で代用する様に言われる。
「田坂!」
「はい。」
部長に呼ばれてビックリした田坂は、浅井から受けた報告を聞いて、顔色を変えた。
「なんで。」
「お前の作った発注書は間違ってない。それは山城が確認済みだ。多分向こうの嫌がらせだろうと言っていた。」
「すみません。」
「外の2人は、お前に言うなと言ったが、場合によってはお前にも頭を下げで貰わないといけなくなるかも知れない。だから、一応覚悟はしておけ。」
「はい、わかりました。」
田坂は血の気が引く様な感覚に襲われながら、デスクに戻った。
「笑ってろって言われたのに…」
きっと、あの時の態度が若社長の気に触ったんだ。
「オレの所為だ……」
深い溜息を吐いた。
田坂は、暫く考え込んでいたが、思いついた様に、電話の受話器を取った。
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