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素直になれなくて
第5章 恋人
浅井と悠里が社に戻ると、部長と田坂が待っていた。
「すみませんでした!」
土下座の勢いで田坂は浅井と悠里に頭を下げた。
「何で田坂くんが謝るの?」
「部長、だから言うなって言ったじゃないですか?」
「いや。だってなぁ。」
部長は頭を掻いて、浅井を見た。
「田坂の所為じゃないよ。あのバカ社長が頭可笑しいんだよっ!全く。」
怒らない、怒らない。悠里は何故か落ち着いてる。
事の成り行きを部長と田坂に説明した。部長は口を開けて呆れていた。
「山城、どんだけ気に入られてるんだ。」
悠里は首を振った。
「気に入られてる訳じゃないんです。コレクションなんです。」
「コレクション?」
「あそこの事務員の女性に聞いたの。一度関係持ったらそれで終わりなんだって。出会った女性をコレクションしてるんだって。」
田坂は悠里の手を掴んだ。
「だからって、抱かれるんですか!」
「そこまでは……今回は食事だけって念を押したから。」
田坂はため息を吐いた。
「絶対、食事じゃ済まないですよ。」
「俺も同感だ。」
浅井が言った。
「もう、あそこの家具、諦める訳にいかんのか?」
部長が最終手段を申し出る。
「半年も前から、職人さん達と打ち合わせをして、作って貰った家具なんです。職人さん達が傷つきます。」
「だからって、山城が傷つかなくたって……」
部長は心配そうに言った。
「俺と田坂で、張り込みます。」
「え…」
「手を出そうとした時点で、撤収。それで駄目になったら、諦めろ…」
浅井が、悠里に言った。
「わかった…」
悠里はため息を吐いた。悠里の手を握る田坂の手に力が篭った。
「じゃ、作戦会議終了って事で。」
浅井が立ち上がる。
田坂は、部長に声を掛けた。
「明日午前中、ちょっと寄りたい所があるんですが。」
「構わんが、なんだ?寄りたい所って?」
「万が一の時の、保険です。」
そう言うと、田坂は鞄を持った。
「俺、一足先に行きます。行く所があるので。」
浅井と悠里に告げた。
「おう、お疲れ。明日、頼んだぞ?」
浅井が声を掛けた。
「はい。」
田坂は悠里の手を握る。
「絶対に、守るから……」
「…うん、ありがと……」
部長は、ニヤニヤしながら2人に言った。
「付き合ってるのか?お前ら?」
田坂はニッコリ笑って、
「これから、ですかね?」
と言って、フロアを出て行った。
残された悠里は、頬を染めていた。
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