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素直になれなくて
第8章 波乱と別れ
「悠里は、俺のですからっ!」
田坂は、店内に響く声でもう一度言った。
「……恥ずかしいぞ?お前……」
田坂は、ハッとして周りを見回すと、注目を浴びている事に気がついて、耳まで真っ赤になった。
「……悠里……」
恨めしそうに、悠里を見つめる。
「わかってるよ。ヒロくんの。でしょ?」
悠里は優しく微笑んだ。
田坂は、悠里の事を頬を染めて見つめた。

「はいっ!休憩終わりっ!」
浅井は突然叫んで立ち上がると、店長の方へ歩いて行く。
悠里が立ち上がると、不意に田坂に腕を掴まれた。
「悠里…」
田坂は不意打ちのように、悠里にキスをした。
「帰ったら、これじゃすまないからね。浅井さんにあんな顔見せて……全くもうっ!」
固まってる悠里を置いて、田坂も仕事に戻って行く。悠里は、耳まで真っ赤になりながら、田坂の背中を見つめていた。
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