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素直になれなくて
第8章 波乱と別れ
三軒茶屋店のオープニングも無事終わり、
悠里は、まだ松葉杖が取れないため、外回りはお預けとなっていた。
必然的に、浅井のパートナーは田坂となる。
「あーあ。悠里、早く治んねーかな。」
「治っても、俺でお願いします。」
「面白くないから、ヤダ。」
浅井は、口を尖らせて言った。
「そう言えばさ、お前、その後病院、検査行ったのか?」
浅井の問いに、田坂は急に真面目な顔をした。
「来週です。水曜日に有給取ってあるんです。」
「え?じゃあ、来週水曜日は悠里と外回り行こう。」
「ダメですよ。怪我人ですよ?」
「社用車使ってやる!」
子供みたいに話す浅井に、田坂は呆れた顔をした。
「何でも無ければ、祝ってやるよ。」
浅井がボソッと言った。
「……ありがとうございます。でも、お祝いは悠里とするので。」
「はぁ?じゃあそれに俺も混ぜろっ!」
「嫌ですよ。」
「ケチ。」
浅井は、頬を膨らませている。
子供ですか?全く。
田坂は、余りの子供っぽさに思わず吹き出して笑った。
「そんな笑うなよ。何もないといいな。」
「……浅井さん…」
田坂が、切なそうな顔を浅井に向ける。
「何、切なくなってんだよ。まぁ心配するな。お前に何かあったら、悠里は俺が守るからさ。」
「浅井さん、嬉しそうで……嫌いです。」
田坂は、プリプリ怒りながら、次の店へ歩き出した。

「悠里は?」
外回りから帰ると、デスクに悠里がいない。田坂は、気になって恵美に聞いた。
「あ、さっき部長に呼ばれて。」
「部長に?」
田坂は、思い当たる節がなく、戸惑った。
「何だろう?」
「お見合いとか。」
浅井がニヤニヤ笑って言った。
「お見合いって、俺がいるのに?」
「部長の奥さんが世話好きでさ。もう何人も被害者が出てる。」
「浅井の時も、酷かったもんね?」
恵美がクスクス笑った。
「言うな。思い出したくもない。」
浅井は、肩をさすりながら、自分のデスクに戻る。
「いったい、何があったんですか?」
「どっかの社長令嬢に気に入られてね、付きまとわれて大変だったのよ。」
恵美はクスクス笑った。
「へぇ。」
そんな話をしていると、悠里が戻ってくる。
「あ、帰ってたの?」
「うん。部長に呼ばれたって?」
「うん……ちょっとね。」
濁した悠里に、田坂は食いさがる。
「お見合いじゃないよね?」
悠里が目を丸くした。
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