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素直になれなくて
第8章 波乱と別れ
「悠里、本当に浅井さんと外回り行くの?」
朝から、田坂は悠里に纏わり付いていた。
「社用車で行くって言ってたし、大丈夫だよ。」
「そうじゃなくて……」
田坂は、悠里を後ろから抱きしめた。
「襲われたら……逃げるんだよ?」
悠里は、クスクス笑っている。
「流石にそんな事しないよ。」
「わからないだろう?浅井さんだって男なんだ。」
「それより、ヒロくんは?大丈夫?」
「ん?」
「検査、ちゃんと行ってね?」
「わかってるよ。」
悠里は、田坂の方を向くと肩に手を置き、キスをした。
「……悠里……」
「何があっても、必ず報告してね?」
「ん。」
「大丈夫。大丈夫だよ。ね?」
「ん……悠里、もう一回キスして?」
そう言って、何度もキスを交わした。
「ヒロくん、そろそろ行かないと。」
「うん。終わったらメールするから。」
もう一度キスをすると、悠里は杖を持って玄関へ行った。
ドアを開けると、何故か浅井が立っていた。
「どうしたの?浅井?」
「あ、いや……田坂、今日病院だからさ。悠里1人で会社まで危ないかなと……」
浅井が、悠里の後ろに立っている田坂の顔を見て、顔を赤らめた。
「浅井?顔赤いよ?」
「お前ら、朝から……田坂……口紅付いてる。」
田坂は、慌てて口を拭うと、恥ずかしそうに頭を掻いた。
悠里も、真っ赤になって俯いた。
「浅井さん、呉々も、宜しくお願いしますよ?」
田坂は、念を押すように浅井に言った。
「……心配するな。人のモノに手を出す程、落ちちゃいないよ。」
「ほら、ね?」
悠里がクスッと笑うと、浅井が悠里を覗き込んだ。
「……油断するなよ?」
「え?」
田坂は、裸足のまま家から出て来て、浅井と悠里の間に割って入る。
「やっぱり……悠里も病院一緒に来て?」
「え?」
「色々、心配だよ。」
今にも泣きそうな田坂に、浅井がデコピンした。
「バーカ。冗談だよ。全く……」
「浅井さん……」
「大丈夫だよ。悠里を困らせる事はしないよ。」
浅井がニヤニヤ笑っている。
悠里は、田坂の頬にキスをした。
「悠里?」
「心配しないで?」
「ん……」
「行ってきます。」
「行ってらっしゃい。悠里。」
悠里は、手を振るとエレベーターに向かって歩き出した。
「な、悠里、俺にもして?」
「ダメ、しないよ。」
「ちぇっ……ケチ。」
そんな2人を見送り、田坂は優しく微笑んだ。
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