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素直になれなくて
第8章 波乱と別れ
「いらっしゃいませ。あ、悠里さん!」
三軒茶屋店に訪れた悠里と浅井は、店内に入るなり、店長に声をかけられた。
「三浦店長、お疲れ様です。」
「お疲れ様です。悠里さん、ここ、ここにどうぞ?」
店長は、空いている席に悠里を案内した。
「三浦、俺が来た時と対応違い過ぎないか?」
「浅井さん、怪我人じゃないし。」
「……ったく……」
浅井は、不貞腐れた顔で悠里の隣に座った。
「浅井さん、隣に座ったら、田坂さんに怒られますよ?」
「何だよ?居ないんだから良いじゃん!」
「……報告しておきますね?」
そう言って、クスクス笑いながら、店長は厨房に入っていく。
「全く……生意気だ。三浦めっ!」
悠里は、ケラケラ笑った。
「仲良しだねぇー」
「仲良しとは、言わんだろう。」
「仲良しだよ。」
悠里は嬉しそうに笑った。
暫くすると、コーヒーが2つ用意された。
「あ、三浦、アレも出してよ?」
浅井が、ニヤニヤしながら言った。
「ああ、わかりました。」
悠里が不思議そうな顔をした。
「アレって?」
「まあ、いいから待ってろよ。」
三浦がトレイにロールケーキを乗せて持って来た。
「今月はマロンのロールケーキです。」
「え、可愛い!」
悠里は、目を丸くした。
「田坂さんのアイデアで、月替わりのロールケーキ出したらどうかって。」
「全然、知らなかった。」
悠里は、浅井の顔を見た。
「内緒にして、驚かせたかったんだろ?」
「食べてもいい?」
「どうぞ。」
悠里は、そっとホークでケーキを掬って、口に入れた。
「ん!美味しい!」
「スタッフの中に趣味でケーキ焼いたりする人がいて。」
「すごい、いいね?」
「だろ?許可とか取るのに、田坂駆けずり回ってたから、帰ったら褒めてやれよ?」
「うん。」
嬉しそうに笑った悠里の顔を、浅井が見つめる。
「どうしたの?」
「あ、いや、田坂に怒られそうだなと。」
「え?」
「彼奴が見たかっただろ?お前のその笑顔。」
悠里は、思わず赤面すると、俯いた。
「恥ずかしいでしょ?もう……」
不意に、悠里のスマホが鳴り響く。
「ん、ヒロくん?もしもし?」
「あ、悠里?今何処?」
「えっと、三軒茶屋店だよ。」
「あー、もしかしてロールケーキ……」
「今、食べてるよ。」
悠里はクスクス笑った。
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