この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
今日私は自分の子供を殺しました
第8章 叫
年賀状なんて
あけましておめでとう
今年もよろしく
だけ書けばいいと思ってたけどさ。
アオイの実家は田舎の堅苦しい昔ながらの家で
礼儀や義理にうるさい。
後から言われるのも、何も知らないと影で馬鹿にされるのも嫌だったから
あたしはわざわざネットで正しい年賀状の書き方。って調べた。
今まであたしが書いていた年賀状はなんだったんだろう。
20年間生きてて年賀状の書き方さえ知らないあたしはどんだけの幸せものだったんだろう。
お祈りいたします
なんて使った事ねーよ。
あたしは精一杯、字が綺麗に見えるように丁寧に書いた。
見栄なのかもしれない。
維持なのかもしれない。
でもあたしだって必死だったんだ。
田舎に引っ越してきて義理だの礼儀だのなんだかんだ言われてきて、
あたしだってアオイの嫁を必死にやってるんだ。
背伸びするのは始めだけ。来年からはこうやってバタバタするのも終わり。
当たり前にお年賀用意して年賀状も完璧に書いて
ほら、またあたしは知識と教養が増えた気がする。
まわりの遊んでる同じ年の子達より自立心が満ちていく。