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今日私は自分の子供を殺しました
第10章 過去の傷2nd Ⅱ
傷はもう瘡蓋になって血は止まっている。
化粧用のハサミだから傷もたかがしれていて
浅い切り傷がたくさん出来ていた
出来立ての傷は盛り上がりズキズキと痛んだ。
「もしもし?」
『……』
「もしもし?…リオ?どうしたの?」
『…助けて』
「え?なに?聞こえない!リオ?」
『…たす…』
涙と呼吸困難が邪魔をしてうまく喋れない…
死にたい…死にたい…
あたしはそのままハルナくんの電話を切り、
ハサミを再び手に取った
痛…
痛いよ…
心が痛い…
あたしは熟睡するアオイの前で声を出して泣いた
何度も何度もなんで?どうして?と問い掛けた
その後ろで床に落っこちたあたしの携帯は誰かからの着信で鳴り続けていた