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飼育✻販売のお仕事
第19章 甘い残り香
* * * * * * *
「地下一階、所属はネコ売り場。のぞみ。えっと、元事務員さん。一見、無知で品行方正。その素顔は淫乱メス。関係を持ってきた男女は二十人以上。今月末で販売終了につき、イベント中にお買い上げのお客様には半額でご提供。……と。こんな感じで良ろしいですか」
「ええ、有難う」
「のぞみさん、もう三ヶ月なんですね。早ーい」
「新崎さん達と同じ日に採用したものね。貴女達も早いこと」
「つい昨日のことみたいです。五月だったんですよねぇ」
閉店後、里子はりつきを事務室に残し、「ふぁみりあ」の会員専用ウェブページを更新させていた。
卓上カレンダーは、今が葉月であることを示していた。
夏祭りに便乗した金魚掬いイベントも、一昨日終わった。夏季休暇シーズンの行事も、残すところ来週末の乱交参加型ステージだけだ。
「店長」
「何」
「乱交参加型ステージって、どんな感じなんですか」
「ああ、それも初めてだったわね」
里子は簡潔に説明した。
「ふぁみりあ」のイベントの一つ、乱交参加型ステージとは、畢竟するにショーを取り入れた販売促進プレゼンテーションだ。
商品である人間は、一体一体、タイムテーブルに従って特設ステージに上げられる。従業員は予め観客から回収したアンケートを元にして、人間達を辱めていく。そして最後に客席から希望者達をステージに招き、彼ら自身にも見せ物を触らせるのだ。