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飼育✻販売のお仕事
第6章 初出勤は人間のお世話?!
「本当にごめんなさいぃぃ……」
「ったく、傷つくぜ」
「志穂さん格好良いですもんっ。ごめんなさい、もうしません」
「おだてても無駄だ。お前ら、今日の外掃除代われ」
「おだててませんっ、本当に不良みたいに格好良──…っっ」
ピンク色のツインテールの令嬢が、そこではたと口を押さえた。
「りん、フォロー出来てない」
「里子ぉぉ……私そんなに怖い?優しいよな?真面目で清廉潔白だろ?」
もっともだ。
動物を愛し争いを避けて通るこの友人は、難があるのは人相だけ、至って善良な市民である。
里子は志穂を宥めると、三人を残して更衣室に入っていった。
薄手のトップスからパーカーに着替え、「ふぁみりあ」の指定衣類のパステルオレンジ色のエプロンをつける。ボトムは家から履いてきた黒だ。
そう言えば、りつきも黒だった。裾を折り返していたところからして、大方、伊澄に借りでもしたのだろう。
エプロンの支給、レジ開けまでは、志穂が進めてくれたらしい。
里子は午前中の分担を決めると、りつきを連れて表のフロアへ出て行った。