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飼育✻販売のお仕事
第21章 生贄
家庭訪問の翌日から、里子の様子が変わっていた。
この三、四日、里子の目は、以前のようにりつきを追わなくなっていた。
気にかけていることには変わらない。端然たるソプラノは、変わらず伊澄の無垢な友人を、歯も浮く台詞ではにかませる。
だが里子は、りつきであってりつきでない面影に微笑んでいた。微笑んでいたかさえ、不確かだ。
「…………」
「はっ……ゃ……」
「りん、悪りぃ」
りつきは、彼女らしからぬ顔を歪めていた。
しとりに潤んだ肉体が、ひく、ひく……とたわんでいる。荒く上下する乳房の先は、ひとりでに意思を宿しでもしたようだ。
ミルクで蒸した胡桃にも似た、りつきの匂いが伊澄を酔わす。
ちゅ…………
「ふっ」
白い鎖骨に触れた途端、唇がとろけかける錯覚を得た。
ちゅうぅぅ…………
肉叢を強く吸い上げながら、片側の乳房を手のひらに包む。丘陵を囲うように撫で回し、唇を下方に移してゆく。
「はぁっ……ゃん……あぅ、あぁっ」
りつきから滲む濃密な匂いは、志穂が引きずり出した欲望だ。
指の腹を近づけるまでもなく膨れきっていた乳房の先端──…りつきの裸体のどこもかもが、数分前の呼び水に陶酔していた。
「りん」
「ああっっ」
啄ばみにとりこめるようにして、伊澄はりつきの心音をくるんだ乳房を唇で這う。腕を撫でて指を絡めて、なめらかな身体の線を指先に刻み込まんばかりになぞってゆく。
仰け反るウエストが、ソファとのほんの僅かな距離を生んだ。そこにも片手を滑り込ませる。触れられるところは余すとこなく触れてゆく。