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飼育✻販売のお仕事
第21章 生贄
「里子──…」
「何とも思わないんですか」
志穂の声を遮って、まおが里子に詰め寄った。
「アンケート、把握出来た?」
「私が訊いているんです」
「…………」
まおの肩越しで、のぞみ達がささめき合って私語をしていた。彼女らの奥に、静かに控える伊澄の姿があった。
思うばかりか感慨もない。里子自身が驚いていた。
あれだけ大切にとっておいたりつきの身体が、今も好色な高所得者達の手によって、使える場所を余すところなく使われている。里子の指の感触も、けだし薄れているはずだ。
だのに、あまねく事実は視覚、聴覚、臭覚を経て、里子に入ってくるだけだ。人間のあるべき姿がそこにある。
のぞみの準備が始まる頃、りつきは頭の天辺からつま先まで、体液と薬品にまみれていた。タイムリミットの直前、男達がパステルピンクの頭をめがけて射精していた。
里子はりつきを志穂に預けて、シャワーを浴びせるよう頼んだ。