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飼育✻販売のお仕事
第6章 初出勤は人間のお世話?!


 着物の女が鉄格子の一角に足を止めるや、そこにかかったタグを見下ろした。

 タグには展示物の品質表示が出ている。顔写真、品番、名前と月額、身長、体重、スリーサイズなどの情報だ。

「梨華……ああ、これね。良い穴ね。私こういう内股のふくよかなメス、好きだわ。この性器は、本当に貴女ね?」

 タグには、一ケージに二体ずつ入った展示物を見分けるための顔写真の右下に、膣口も小さく写して添えられてある。

 婦人がそれを指差すと、中にいた二人の女の内片方がその場に寝転び、自ら裏ももを持ち上げた。

「この通りでございます」

「良いわ」

 有難うございます、と、丸裸の女もとい梨華が言った。梨華は何事もなかったように腰を上げ、乳房や恥丘を隠すこともしないで棒立ちに戻った。


「梨華は緊縛に適しております。ロープが良い具合に食い込んで……だからと言って、ずん胴ではないでしょう。健康的な肉づきってやつです。家事も得意だそうですから、使用後は家政婦にでも使ってやれんじゃないですか」

「万能なのね。ねぇ、この穴はどれくらいまでのものが入るの?」

「直径六センチの空き瓶まではいけます」

「7センチは?私、大きなものを咥えさせてすぐ裂けるような女だと退屈しちゃって……」


 志穂が檻の鍵を開けて、梨華を放した。


 肩より長い茶髪を後ろに結んだあえかな目許の裸体の女が、売り場の中央へ引き連れられてゆく。

 中央にあるのはステンレスで出来た台だ。鼠色の塗料が塗られ、所どころ剥がれたところが錆びている。


「仰向けになって、膝を立てて脚を広げろ」

「はい」

 梨華が志穂に従った。

 薄い茂みの奥に潜んだ女の性器が、白熱灯の下に露出した。


「おい、店員」

 売場を吟味していたもう一人の客が、苛々しげに振り向いてきた。
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