この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
飼育✻販売のお仕事
第25章 親友

* * * * * * *

 りつきが帰っていったあとも、里子は何度、意識の干渉し難い胸裏でその名前に呼びかけたことか。

 しとやかな指の質感を手のひらに刻み、りつきに最も似合う配色──…パステルピンクとホワイトの毛並みを撫でた直後、里子に、もう彼女に焦がれる本能が芽吹いていた。


「ちょっと妬きます」


 里子が鏡を覗いていると、後方から、悪戯めいた声が聞こえた。

 閉店後の更衣室は、里子とまおの貸切状態だ。志穂は地下二階で人間の食器を洗っている。


 何故。里子がまおのはかなしごとに付き合う疑問形を投じると、同じく着替えを終えた従業員から息を吸った気配がした。


「店長、心ここにあらずですもん。ううん、いつも通り真面目だけど、ふわふわされてる感じです」

「そう?」

「小葉さんと雑談されたら、新崎さんのことばかりでした」

「──……」

「四時間前、離れたばかりなのに。私じゃ満足出来ません?」

 まおの口調は、あくまで親しい人間をからかうそれだ。

 ただ、的確だ。まるでそう呼びあうようになったばかりの恋人達同様、里子にりつきが足りなくなるまでにかかる時間は、甚だ儚い。


「田口さんとりつきでは、柔軟さが違っているわ」

「そんなにはっきり仰らなくてもー」

「貴女が一番分かってるでしょう」

「…………」


 小動物売り場からけたたましい音が鳴り出したのは、突然のことだ。


 ドンドンッ……ガシャッガシャァァッッ…………


「…──!!」

 滅多に色を変えないまおの顔が慄いた。
/268ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ