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飼育✻販売のお仕事
第26章 再会〜感傷は知られざる悲願の〜
「……ひっ、……」
割れ目に至った真正の指が、里子の性器を確かめた。渇いた指は、やはり渇いた肉壺をつつく。
「これは残念だ」
「……はぁ、……」
「鈴花なら喜んで濡れたぞ?人間が遊んでやれば小便を垂らす犬のようにな」
「…──っ」
台下に覗いたスーツケースから、黒い棒状の器具が出た。
「鈴花」
忌々しい性具を握った中年男のしわがれた声は、里子に空耳を疑わせる名前を呼んだ。
「っ…………」
生理的な拒絶は里子の感覚機能を麻痺させていた。だが、呼び声に応じて薄闇を揺らした人影を見るや、そこに刹那の情念が覗いた。
驚愕、動揺、跼蹐──…愛念。
「久し振り」
何故、……。
人影はやがて明瞭になった。
名づけがたい感情が、里子の唇から声を奪った。