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飼育✻販売のお仕事
第6章 初出勤は人間のお世話?!


 りつきは、途切れ途切れに弁解を始めた。

 確かに人間同士の交尾に関して明るくはない。だが、里子が説明に用いた性的実技という言葉、そこから聯想される行為については理解していた。
 ただ、そうした奉仕が必要とされる職場など、ピンクネオンの街に限る。りつきは里子の話の意味を取り違えていては恥ずかしい所以、確認をとらなかったのだという。


「うっ……店長……ちゃんと説明して下さいよぉ……」

「何度も言ったわ。だからここの従業員は、表で募集出来ないことも」

「てんちょー」

 バスローブの群れから痺れを切らした声が上がった。

「ケーキ頭、鬱陶しいっす」

「ケーキ頭っ?!」

「ケーキじゃん。イチゴクリームに白いリボンのホイップクリーム。分かったらさっさと全裸になってぶっこまれろや」

「っ……!!」

 りつきが身を固くした。オスの両脇にいた二人のメスは、声を押し殺している。


「店長」

 またぞろ第三者が里子を呼んだ。

 今度は少女だ。


「田口さん」

「おはようございます。あ、彼女、採用されたんですね」


 里子達の後方に現れたのは、今日夕方から出勤予定の従業員だ。

 田口まお。

 午後を中心にアルバイトに入っている、二十一歳の大学生だ。


「初めまして。田口です」

「新崎りつきです。よろしくお願いします」


 りつきは、どさくさに紛れてすっかり衣服を整えていた。

「店長。効率が悪いです。まずは私がやるので、新人には見学して仕事を覚えさせましょう」


 里子に有無の余地も与えず、まおがニーハイソックスとストッキングを脱いだ。


 さり気ないラメの混じったオフホワイトのブラウスも、サーモンピンクの巻きスカートも、言わずもがなまおの私服だ。

 ただし、一端更衣室に入った形跡はある。

 見るからに柔らかな膨らみを包んだまおのブラウスは、薬指の先端ほどのまるみを飾った乳輪が透けて見えていた。…………
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