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飼育✻販売のお仕事
第8章 少女給餌〜りつき〜

「ダメっ……やぁっ……」

 触れては離れ、離れては触れてを繰り返していたキスがやんだ。唇がひとりでに僅かな喪失を覚えるや、耳朶に同じ温度が迫る。

「匿って欲しいんでしょ……?」

「はぁ、はぁっ……」

「ここ、売り物同士は節度を持って付き合っている。私が話をつけてあげる。貴女が私に身体で詫びて、皆に許してもらいましょうよ」

「…──っ、でも、……私、……」


 ばんっ…………


 萌奈がりつきの真横に手をついた。

 左右が塞がれ、言わずもがな前方には萌奈がいる。後ろは壁だ。


 身体の奥が、とろんと熱い。昨日からだ。痺れるような甘い疼き。

 こんな感覚、風邪をひいても押し寄せない。慣れない労働が身体に差し響いてでもいるのか。


「可愛いわ。髪、珍しい色ね。……白い肌。外に出たこと、あるの?よく合ってる……」

 萌奈の指が、パステルピンクのツインテールとりつきの肌を、交互に遊ぶ。

 間近で見ると、普通の女だ。街で見かけても気が付くまい。


 ふっと身体が軽くなった。エプロンが外れていったのだ。

 萌奈の手が、ブラウスごとりつきの乳房を揉み出した。喉に黒毛の頭がうずまる。

「ぁっ、ふぁ……っっ」


 腰がひとりでによじれる。昨日のまおの姿が脳裏に蘇る。

 あんな風に、なってしまうのか?

 このまま萌奈に従えば、りつきも、けだし昨日の大学生の従業員のようになる。
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