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飼育✻販売のお仕事
第2章 ペット面接・元倒産企業事務員~里子~
「ウチのお仕事を説明するわ」
「宜しくお願いします」
「入ってきてもらった時ご覧になった通り、ウチ「ふぁみりあ」は、表向き小動物の販売店です。ただし、従業員を一般の求人誌や職安を通して募集することはありません。それだけここの業務が秘密厳守だということ、肝に命じられる?」
「もちろんです。アングラ系の、超危険級裏サイトを巡っていた時、広告を見つけましたから。ああいうサイト、好きなんです」
「そう。例えばどんな」
「都市伝説に残酷画像、素人のエロ画、裏バイトはもちろんですし、出会いチャットの体験談を読むのも好きです」
「意外だこと。真面目そうなのに」
「店長さんだって。売春仲介業をされている人と聞けば、もっと汚いおじさんを想像しますもん」
のぞみがからからと声を立てた。
黒い縁の向こうで下弦の月を描く目に、堅物を気取ったスーツでは遮蔽しきれない表情(かお)が覗く。
「こういうのに興味があったなら、経験してみるのも悪くないわね。お給料はなかなか。待遇も悪くはないわ……ペット、販売員ともに。ああいうところで募集をかけているから、怖がられて応募数が少ないところがたまにきずね」
里子はのぞみに説明を続けた。
ペットとして採用された人間は、地下の檻で起臥すること。買い手に引き取られるまでは衣服や所持品を全て預かる決まりがあること、守るべき規則に共同生活の流れ、「ふぁみりあ」が定期的に開いているイベントのこと、販売期間は三ヶ月、それが過ぎればペナルティ付きで解雇になること、ただし二ヶ月経った時点で残っていた場合には、見切り品セールに出ることになるのでそこで売れる見込みがあること。…………