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飼育✻販売のお仕事
第10章 VIP会員限定セール〜見切り品〜
「新崎さん達、今夜何時でしたっけ」
「九時に出勤。入場時間まで志穂と私で接客のシュミレーションをしてもらうわ。その間、田口さんは飲み物の準備をお願い」
「分かりました」
市民会館ほどの広さはあろう多目的室に、長椅子が二列、壁に沿って並んでいた。
出入り口付近にテーブルが一台、ペットの購入に必要な書類や筆記用具が揃えてある。中央のスペースは柵が巡らせてあり、一畳ごとの十四に区切られている。内十三の空間にはポールが各々一本立っていた。
完成だ。
「あ、新崎さん気にしてましたよ」
「ん?」
「売れ残った人間のペナルティ」
「…………」
「従業員が売り物とセックスを強要される店なんだから、売り物は売れなければどんなに怖い目に遭うのかって。説明されなかったんですか?」
「その内、タイムリミットは来るもの。今夜も六体、三ヶ月満期のメスが出るわ」
もっとも、老いた小動物も増えてきた。今回は見切り品が残った方が、小さな彼らや店にとっては良いかも知れない。
まもなくして、閉店業務を終えた志穂が降りてきた。