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飼育✻販売のお仕事
第11章 我が家の執事







 多くのペット業界の見えざる実態は凄惨だ。


 私宅に溢れ返る家族達の食糧のため、幼い頃より通っていた「ふぁみりあ」は、なかんずくまおの知識を逸脱していた。

 一人前に成長した犬や猫、丁寧に手入れされてはいるものの、使い古した毛皮にくるまったようなウサギやフェレット、モルモット──…陳列された売り物は、いとけなさに欠けていた。


 里子と話すようになって、まおはラインナップの出どころを知った。里親をなくした動物や、殺処分を免れた動物を、里子は経営に差し響かない程度に引き取っていたのだ。



 地下の存在を知ったのは、偶然にもウェブサイトの従業員募集の広告を見かけた時だ。

 その頃、既にまおは里子の理念に傾倒していた。


 ここで働きたい。ここで働くからには、非道な人間飼育に関しては、腹をくくって割り切ったのだ。
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