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飼育✻販売のお仕事
第11章 我が家の執事
高額商品売り場に、今日、また新たなメスが入荷したらしい。
シャワーの後は、給餌の時間だ。
地上階では、りつきと里子が閉店前の売り場整理をしている頃だ。
栄養価だけは高い、それでいて余分な脂肪をつけないよう最低限の熱量に抑えたスープと薬草入りのビスケット、注射器をワゴンに乗せて、まおは例の売り場へ入った。
「餌よ」
人間か人形か甄別し難いメスの入ったケージを開けて、まおは餌を差し入れる。完膚なきまでに瑕疵ないメスの乳房を掴み、薄めた催淫剤を注入する。
注射針は十八ゲージだ。従業員の手間は省ける分、マゾヒストでない人間にとっては苦痛のようだ。
一体目の給餌が終わった。
まおは次のケージに移って、同じ要領で今度はオスに餌を与えた。
新入荷したメスは、二日前の見切り品セールで空きになったケージに移されたという。
まおは、卒なく給餌をこなしていた。生娘の怯えた表情も、童貞の屈辱に耐える表情も、見飽きている。
ところが最後のケージに至った途端、久しくまおの中の常識が息を吹き返した。
「っ……!!」
「陽瑠夏……?」
独房で膝を抱えていた全裸のメスは、まおの遠い記憶にいた少女に瓜二つだった。
十茶陽瑠夏(とさひるが)。
十年前、学年内でも有名な仲良しだった小学校での同級生だ。
「何で……」
陽瑠夏の長かった黒髪は、肩に触れる程度に短い。その顔は薄く化粧してあって、当然身体も成熟していたが、確信があった。
彼女の方も、真面目でリーダーシップな元同級生を凝視して、固まっていた。