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飼育✻販売のお仕事
第12章 落ちこぼれ従業員の特訓
里子は地下一階フロアの檻からネコ一体を出し、中央台に横たわらせていた。
大人びた顔に胸を覆う長さの黒髪、その肉体はもっちりとしたハリがあり、聖母を彷彿とする眼差しだ。
聖母──…。
違う。人間を欺瞞で救い上げようという教祖を産んだ人物を、あの面影に重ねるべきでない。
サーモンピンクの突起を指と指の間に挟み、少しさすっただけでパンナコッタのように揺れる乳房を眺めながら、里子は荒く上下するそこから下方へ愛撫を移してゆく。
「はぁっ、はぁ……店長ぉ……」
飼われることを安楽とした、快楽の瞳が里子を捕らえる。途端に罪悪が押し寄せた。
似ているのは面影だけだ。
「…………」
水無月に入ってからというもの、まおが不調だ。
餌の棚卸を誤ったり、人間の躾を終えた後、別のケージに戻したり、疲れているのかも知れない。
里子がここの躾を始めざるを得なくなったのも、珍しく早番だった彼女がこの業務を失念して帰ったからだ。
「いやらしい顔……どうして欲しいの?」
「触って下さい……あたし、を……気持ち良くして……下さい……」
教育の行き届いたメスは、自ら脚を開くことに躊躇がない。
優美な縮れ毛を指に絡めてふっくらと盛り上がった恥丘を撫でると、メスは腰をくねらせて、かたちばかりもったいつかせながら膝を上げ、勃った乳首に指先を置いた。
「…………」
思い出す。だが、触れればきっと忘れてしまう。
里子は地上階からりつきを呼んだ。
「特訓よ」
「ふぇっ?!」
「このメスは、茉乃というの。途中まで濡らしたわ。後は私が指示を出す」
「でも……私は、あの……」
りつきのたゆたう唇が、王子、と、ささめきかけた。
「下の萌花とキスした、と、聞いた」
「…………。しました」
「馬沢さんには黙っておいてあげる」
「っ、……。そんな……」
パステルピンクのツインテールが項垂れた。
りつきが顔を真っ赤にしながら茉乃の身体に触り出す。
それからまもなく、里子に新案が閃いた。