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飼育✻販売のお仕事
第12章 落ちこぼれ従業員の特訓


「はぁっ、……」

 スラックスのファスナーを下ろすと、見かけより豊かな臀部が現れた。そしてみずみずしいももが伸びる。

「はゃ……やぁ……やっぱり、分かりましたっ、十分理解しましたので!」


 哀れなウサギだ。泣きそうな声を上げている。


 りつきの太ももに呼び水を絡めて臀部の影を啄ばみながら、里子は思う。


 これがりつきでなければ憐憫にほだされてやめていた。
 だが、従業員教育と銘打って始めたこの提案は、もはや理性がルールではない。


 欲望。


 十日ほど前に店を訪った男はつまらなかった。

 男であるというだけで、詭弁家が捏造した方程式に従って、女に認められる卑しい存在。あんな人間のためにりつきが自らその快楽を戒めるなら、そんな戒めは砕きこそすれ重んじられるものではない。りつきは望まなきにせよ、個人が幸せと名付けるものは、容易く壊れるからそう名が付くのだ。


「私も、新崎さんと同じなの」

 里子はりつきをソファにうずめて、シートに片膝をついた。囚われ姫の前方を塞ぎ、グロスの艶めく唇に触れる。


「ある人のことを思うと、たとえここのお仕事でも裏切るような真似は出来なかった」


 でもね、──…。


 里子は二度目のキスを落とす。

 初めてまみえるりつきの乳房は直視出来ない。視界に触れているのが彼女に知られると思うと、里子の方が穴に入ってしまいたくなる。


 こんな、人外も同然の髪色の少女を相手に、全くらしくないものだ。…………


「触れたいわ。新崎さんなら……立派な浮気だとしても、触れたい」

「──……」

 三度目のキスは乳房を手のひらに包みながら施した。

 ひくん、と、りつきの腰が僅かに跳ねた。
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