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飼育✻販売のお仕事
第12章 落ちこぼれ従業員の特訓
「お若いですね。大学生?」
「いいえ、昨年卒業しております」
「そう、そうよねぇ、いくらお嬢様のストライクゾーンがお広いからって……学生さんにはお手をお出しになりませんよね」
「そこまでプレイガールなんですか?」
「それはもう──…」
「貴女、口を慎みなさい。私達は雇っていただいてるのだから」
年長の家政婦が後輩らしき女を小突いた。
伊澄はグラスを傾けて、きらびやかな会場を見回す。
ところ狭しと宝石を詰め込んだ、さしずめ木箱だ。時代遅れな空間に反撥しているドレスの色彩、それらは相反していながら調和していた。
「初めまして。三鷹由香里と申します」
淡いピンク色のシフォンを揺らして、少女が伊澄に近づいた。
「どうも。結野伊澄です」
「存じております。お姉様が貴女のこと、格好良いと絶賛でしたもの」
「お姉様?」
「ふふ、血縁関係はありません。勝手にそうお呼びしているだけですわ」
ここにいる女達同様、由香里も恵果と枕を交わしたことがあるらしい。そこに恋愛感情はない。ただ愉しみを追求し、共有する眷属だ。
由香里は幼い頃より周囲に甘やかされてきた反動か、体罰に禁断の悦びを見出すという。恵果に、或いは彼女を含めた女達に自慰を披露し、最後には全裸になって折檻されることを最も好んでいるようだ。
「お姉様の鞭打ちは、最高です。いっそお姉様の家政婦さんになってしまいたいくらい。そうしたら毎日粗相をして、お尻を叩いていただくんです」