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飼育✻販売のお仕事
第13章 先輩にも特訓されて...
りつきが知識として得ていた性交を、正念場まで体験させられることはなかった。
まおはりつき自身が耳にするのも憚られるようなソプラノを、さんざっぱら吐き出させた挙句、売り物の躾に戻ったのだ。
「服、着て良いわ。不感症じゃないみたいだし、続きは店長にでも教えてもらって」
「っ、……。……」
里子には上体を、まおには下半身を。
まおの方が濃密な呼び水だったのに、昨日ほどの興奮は覚えなかった。懐かしさなど以ての外だ。
りつきはエプロンの紐を握ると、身体をねじった。首を痛めかねない体勢で、萎えた蝶を整える。
「…………」
自立すると決めたのだ。執事はともかく、りつきの側に優しい家政婦はもういない。
里子が紐を直す時、りつきの髪に触れる時──…。
幼かった頃の既視感は、けだしりつきの弱さの招く錯覚だ。