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飼育✻販売のお仕事
第13章 先輩にも特訓されて...
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「それでやめたの」
閉店時間が迫る定刻、まおは給餌の業務を始めた。淡々と作業をこなし、最後に十日ほど前に入荷した新顔の入ったケージに至った。
膝を抱いた裸体のメス、もとい陽瑠夏の肉体は、まおの記憶していたより誘惑的だ。どこにでもいる小学生だった友人も、この十年でそれだけの変化を遂げたのだ。
「まだクビになりたくないもん。店長は、新崎さんを気に入ってる。前にもあんまりお仕事出来ない人がいて、その時は小葉さん達に任せきりだった店長が、今回は嘘みたいに面倒見良くて」
数時間前がまおの脳裏に蘇る。
多目的室に入ってから、りつきは心ここにあらずだった。更にはまおが里子の話題を出した途端、りつきの落ち着かなさに拍車がかかった。
昨日どこまで教わったのか。
業務の一貫として質問したまおの前で、りつきはいよいよ初恋を覚えたばかりの少女のように紅潮した。唇を押さえてまごつく彼女は、里子とのキスを示唆しているように見えた。
人間などもの同然に見ているような里子の瞳は、ふとした時、懐かしげにパステルピンクの仔ウサギを追う。
りつきがあの態度を見せずとも、まおは自粛していたろう。