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秘密の二段ベッド
第1章 はじまり
「それ」が始まったのがいつだったかは思い出せないけど、最初から「それ」はイケナイことだってわかっていた。クラスのませた子達が回し読みしてるえっちな本に載ってるようなイケナイこと。
でもお兄ちゃんの荒い息やベッドのきしむ音にわたしは最初から興奮してたと思う。
始めから、わたしだってイケナイ子だった。


わたしにお兄ちゃんができたのは小学2年生の時。お母さんが再婚した新しいお父さんにはわたしより二つ上の子供が一人いて、それがお兄ちゃんだった。
初めて会った時はなんだか恥ずかしくて、よそ行きのワンピースの裾をぎゅっと握りしめて下を向いていた。

新しいお父さんも、お兄ちゃんも、すごく優しかった。新しいお父さんがお母さんにとっても優しいのが嬉しかった。
四人で初めての食事会をした後、近くの公園を散歩した。先を行くお母さんとお父さんのあとをわたしとお兄ちゃんがついて行く。
ピカピカの新しい靴が歩きにくくて躓いてしまった時、お兄ちゃんがさっと手を出して支えてくれた。
「大丈夫?」
とわたしを覗き込む笑顔が目に焼き付いて、その日の夜はなかなか寝付けなかった。

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