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秘密の二段ベッド
第1章 はじまり
正式に家族になって、引っ越しして、子供部屋も作ってもらえた(それまでは小さいアパートだったから自分の部屋がなかった)。

子供部屋は二つの部屋が真ん中の二段ベッドで区切られていて、入り口は別なのに中で繋がってる感じが秘密基地っぽくてわくわくした。
「上がいい! わたしが上の段っ!」
とはしゃぐわたしにお兄ちゃんは仕方ないなぁって顔をして「いいよ」と言ってくれた。

わたしたちはなかなか仲良くやっていて、それはお兄ちゃんが底なしに優しかったからだと思う。
まだ小さかったわたしはそれをいいことに甘えまくったし、友達にも「あやねちゃんのお兄ちゃんかっこよくて優しくていいなぁ~」と言われたりして鼻高々だった。

そうなのだ。お兄ちゃんは結構かっこよくて、わたしはお兄ちゃんが大好きなんだ。
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