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秘密の二段ベッド
第7章 手を繋いで
「うん。なんかわかんないけどそう思ってて。で……自分がそうなったし、あやねも二十歳だし、そろそろ父さん母さんに言いたいなって思ったんだ」
「……うん」

ぎゅっとあやねの手を握る。
「……僕が、守るから」
真剣に言ったつもりだったのに、あやねが横でふふっと笑う。

「大丈夫、わかってくれるよ! だってね……」
あやねが僕の耳に顔を近付けて囁いた言葉に、僕は息が止まる程驚いた。

『二人とももう気付いてると思うよ』

驚き過ぎて立ち止まってしまった僕を追い越してあやねが言う。
「それに、あたしだってお兄ちゃんを守るし!」

そのままくるりと前を向くと軽やかに先を歩いていく。
ははは、と思わず声が漏れた。

初めての二人の夜を思い出す。
あの時も、あやねが僕の背中を押した。
……というより、引きずり込まれたような。

「好きだから大丈夫」とあやねは言った。
そうだといい。きっと、そうだ。

「待ってよあやね」
僕が声をかけるとあやねが振り返る。
「手を繋いで行こう」
僕の提案にあやねは少し驚いて、でも立ち止まって僕を待った。

追い付いた僕の手を握り、あやねが笑う。
前を向いて、暖かい日差しの中を二人で、歩き出した。






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