この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
秘密の二段ベッド
第5章 お兄ちゃんの決意
少し前を歩いていたあやねの手を引っ張る。
「あやね、あれ」
振り向いたあやねは僕が指さした方をじっと見つめて、すぐに「あっ!」と叫んだ。
叫んだあと慌てて自分の口をふさぐ。
きっとホタルがびっくりして逃げると思ったんだろう。なぜか僕も思わず「しーっ」と言ってしまった。

前を行く父さんと母さんも気付いて戻ってきて、四人で次々数を増すホタルに歓声を上げた。
光を追いかけながら川をのぼり、少し開けたところで川岸に座ってホタルを眺めた。

僕の隣にはあやねがいて、真っ暗な中をホタルの光が横切る度に楽しげに声を上げた。
興奮しているのか、ぎゅうっと僕の手を握って離さない。
その小さな手は、熱くて、ちょっと湿っていて、まるで僕は心臓を掴まれているような気持ちになった。

川からは涼しい風が吹いてくるのに、僕は体が燃えるようだった。
隣のあやねの気配が近すぎて、どうしていいか分らないあの感じ。
きっともうあの時にはどうしようもない程あやねを好きだった。

握られた手と、くっついた腕と、声を上げるたびに流れてくるあやねの髪の匂い。
今ならすぐ勃起してしまったと思うのだけど、あの頃はなんだかわからない衝動で下半身がムズムズするだけで、だから余計にどうにかなってしまいそうだった。
あんなに綺麗だったホタルのこともあんまり覚えていない。

父さんはそんな僕に気付きもせず、「ちょっとトイレ」とか言って川を上りだした。
「ちょっと、大丈夫?」と母さんが携帯の明かりをつけてついて行く。

あやねはその後姿をじっと見て、ぱっとこっちを振り返った。
「お父さんとお母さん仲良いね」
「……うん」
「嬉しいね」
「うん」
「あやねもあんな風になりたいな」
あやねの手に力がこもった気がした。
僕はその手を握り返して、「あやねはまだ早いよ」と言った。
/102ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ