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動物王国
第1章 直子
でも、別れられない。

今までも直子は拓哉に何度か別れを切り出した事があった。

その度に、拓哉は「判った。別れよう」と言うが3日もしない内に、「腹減った。直子の手料理が忘れられない」と直子の家にやって来て食事をしセックスをして帰っていく。

拓哉と切れない理由は、直子の気弱さが原因だ。

それは、直子自身判っている。

充分、判っているが拓哉の押しの強さに、「今回だけ」と自分に言い聞かせながら拓哉を受け入れてしまう。

「…今度こそ…今度こそは…」

直子はシャワーを浴びながら決意する。

「…絶対に別れる…」

直子はバスタオルで身体を拭うと白地に水色のボーダー柄の子供っぽいショーツを履く。

「…あっ!…しまった…」

直子は鏡に映る自分の姿を見て呟く。

「…ボーダーのパンティ履いたら…また見ちゃう…あの夢を…」

最近、直子は変な夢を見る様になった。

複数の男達に犯される夢。

その夢を見る時は決まってボーダー柄のショーツを身に着けていた。

青、赤、黄色、オレンジ、水色、黒。

色は関係無く、ボーダー柄のショーツだと見てしまう。

「…何でかなぁ?…どうしてあんな夢…見るのかなぁ?…」

夢が嫌なのであればショーツを履き替えれば済む事である。

しかし、直子はそのままパジャマを着て髪を乾かしベッドに潜り込む。

表向きは『…洗濯物が増えるから嫌…』と言う理由だが本当は違う。

直子は秘かに期待していた。

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