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若葉の清算
第1章 希望


その日の夜、葵は寝る準備を終えると、ベットの上に座り健斗に電話を掛けた。

次の休日に健斗を遊園地に誘う事にした。健斗と初めてデートした場所に行けば、二人の仲が少しでも良くなるのではないかと葵は思ったからだ。

しかし、健斗の反応はいまいちだった。


「面倒くさいよ、学校も予備校もない日ぐらい休ませてくれよ」

「行こうよ!気分転換になると思うの」

「最近、バイトのシフトも減らして金がないし......」

「割り勘なら良いでしょ?」

「......」


反応の良くない健斗に、葵は強い口調で畳みかけるように話しかける。


「私達付き合ってるんだよね?ねぇ聞いてる?」

「ぁあ......」

「それなら久しぶりにデートに行こうよ。連れて行ってよ」

「ぁあ......割り勘なら......」


葵はホッとした表情をして穏やかな口調で話し続ける。


「二人の高校生活の思い出だから制服で行こうね」

「制服で行くの?まぁいいけどさ......」


それから、スケジュールの打ち合わせなどをして電話を切った。

葵は一安心して掛け布団を鼻までかぶり、久しぶりのデートを想像して胸を躍らせた。


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