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若葉の清算
第2章 思いで作り
デート当日、葵は待ち合わせの駅の改札口で健斗を待っていた。
待ち合わせの時間は過ぎている。すると向こうから、のんびりと歩いてくる健斗が見えた。
のんびりと歩いてくる健斗に少しイラッとしたが、同時に久しぶりのデートの待ち合わせにトキメキも感じた。
「遅い!遅刻なんですけどぉ!」
「数分ぐらいいいだろ。早く行こうぜ」
健斗は、さっさと券売機の方へ歩いていく。そして自分の切符だけを買った。
「葵も早く買えよ、電車来ちゃうぞ」
葵は少し不服そうに財布を取り出し切符を買った。確かに割り勘と言う約束だが、切符ぐらいは買ってくれても良いのに。そう思った。
電車に乗ると、映画の話や音楽の話などで盛り上がり、徐々にデートらしくなってきた。葵は付き合い始めた頃を思い出し少し懐かしさを感じた。
電車の乗り換えやホームでは腕を組んで、最近のぎこちなかった二人が嘘のようで、葵は少し強引だったけれどもデートに誘って良かったと健斗の横顔を見て思った。
千葉県の浦安にあるテーマパークに付くと、健斗は自分の分だけのチケットを買った。
そして葵は、幸せそうな顔で自分のチケットを買い、健斗の腕にしがみついた。
「健斗!最初は、どのアトラクションに乗る?」