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Birthday’s
第1章 4月ー祥悟の誕生日ー
4月。
誕生日に先駆け、祥悟くんは部長に昇進した。
そして今日、1日の仕事帰りに外で少し会って話している、という状況。
本当は昨日誘われたんだけど、年度末で残業だった私はごめんなさいと断り、今日に持ち越したのだった。平日の夜に少し会う時は、私の勤務先に近い国際会館が多かった。大抵スタバか外の大階段。
20代で部長なんてすごい!と言ったら本人は浮かない顔で。
「実績を認められての昇進なら嬉しいんだけどね。
俺の場合は違うから…俺の性格を熟知してる親父に言わせると、プレッシャーなんだって。
ヒトと同じ扱いにしたらお前は頑張らないって。
俺あんまり向上心とかないから。昔から色々お膳立てされてきたってのもあると思うけど、自分で這い上がろうって意識が低いんだよね。
生活に困ってるわけでもないし、金のかかる趣味持ってるわけでもないから稼がなきゃとかもあんまり思わないし。そこ行くと、爺さんは戦中戦後を会社抱えて乗り切った人で、親父はそれを見て育って、自分もバブルの崩壊だの震災だの経験してるだろ。俺なんかとはハングリーさが違うんだよ。」
とため息をつく。
誕生日に先駆け、祥悟くんは部長に昇進した。
そして今日、1日の仕事帰りに外で少し会って話している、という状況。
本当は昨日誘われたんだけど、年度末で残業だった私はごめんなさいと断り、今日に持ち越したのだった。平日の夜に少し会う時は、私の勤務先に近い国際会館が多かった。大抵スタバか外の大階段。
20代で部長なんてすごい!と言ったら本人は浮かない顔で。
「実績を認められての昇進なら嬉しいんだけどね。
俺の場合は違うから…俺の性格を熟知してる親父に言わせると、プレッシャーなんだって。
ヒトと同じ扱いにしたらお前は頑張らないって。
俺あんまり向上心とかないから。昔から色々お膳立てされてきたってのもあると思うけど、自分で這い上がろうって意識が低いんだよね。
生活に困ってるわけでもないし、金のかかる趣味持ってるわけでもないから稼がなきゃとかもあんまり思わないし。そこ行くと、爺さんは戦中戦後を会社抱えて乗り切った人で、親父はそれを見て育って、自分もバブルの崩壊だの震災だの経験してるだろ。俺なんかとはハングリーさが違うんだよ。」
とため息をつく。