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淫ら
第6章 6.
ブルルルッ!ブルルルッ!
その時、私のスマホに一通のメッセージ。

その音にビクっとして、私は慌てて体を離す。
メッセージはさっき運転代行で帰った友人夫婦からで
「無事着いたよ。」との連絡だった。

私は大きく息をつき、家の中の気配を確かめ
誰か起きてきた訳ではないことを知ってホッとした。
圭一はグラスに残ったワインを飲み干し何事もなかったかのように言った。
「ゆっくり駅まで歩いて、コーヒーでも飲んで始発で帰るよ。」

その言葉は私に甘い夢の終わりを告げているようだった。

「いつの間にかそんな時間?もう夜明けだね。」
私も気持ちを押し殺し、笑顔でごく普通の調子で応じた。
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