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今から恋を始めよう
第4章 恋
「大学の時に、同じ学年の彼氏と、俺の1個下の成田だっけ?
あいつと結構ハデに騒いだよな?」
「・・・・」

あんなこと。覚えてる人が未だにいるなんて。
「彼氏だった奴も成田も、優しい感じのお坊ちゃんタイプじゃん」
「・・・・」
「野口さんに似てない?」

そう言ってビールを一口飲んで
そのまま横にいた私の唇をとらえてキスをする。

ゴクッっと音を立てて
吉野さんの口内から私の口に移されたビールを思わず飲み込んだ。

「え・・・・」

「他の男に気ぃ散らしてんなよ」

会社では・・・・
明るい感じの爽やかな人なのに。
私を射抜く視線の色っぽさにゾクッとした。

「俺だけを感じてろ」

そう言って私の頭を自分の胸にかき抱いて
ビールを飲み干した。

タンッと軽い音を立てて
空になったビール缶をテーブルに置いて
再び私にキスをする。

「ん・・・っ」

クラクラするその香りは
吉野さんが付けているトワレか・・・

「いい匂い・・・」

思わずワイシャツを引き寄せてその匂いを嗅いだ。
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