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ラブカルチャースクール 3
第12章 Lesson 欲
セイジは私の肩に顎を乗せて、少し唇を尖らせる。

何で拗ねているのか分からなかったけど、そんなセイジはキュンとしてしまうのは惚れた弱みかもしれない。

きっと私はセイジがお箸を転がしても、キュンキュン胸をときめかす自信がある。

「言わないようにはするけど……何でそこまで気にしているのか知りたいかも」

あのセルジュが絡んでいるし、セイジがここまで気にすることに、今後の参考までにも知っておきたくなった。

「……知りたい?」

「うん、知りたい!」

肩越しに覗き込んでくるセイジの方に顔を向けると、頭がコツンとぶつかる。

途端ふっと――こんな風に寄り添い合いながら、気負うことなく素直に聞きたいことを言えるのって今までになかったな――――と思い返す。

元旦那とはラブカルに通うまでは顔色を窺うばかりで、常に恐怖感が付き纏っていたような気がした。

今こうやって自然体で居させて貰えることが、奇跡のようにすら感じる。

そんなことを思いながらセイジをジッと見詰めると、ダークブラウンの瞳を細めて、柔らかく微笑んできた。

「はぁ……言っても……琴海、呆れない?」

鼻先がくっ付くくらい近づけてきて、セイジは憂い気に溜め息も漏らす。

微かに擦れる鼻先が、こそばゆい。

「え、呆れる? 大丈夫! 私がセイジのこと呆れることなんてないから!」

転がすお箸だって愛おしいよ!

――――とまでは言わないけど、ドヤ顔出来るくらい言いきると、セイジは照れ臭そうに片方の口端を上げてはにかんだ。

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