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ラブカルチャースクール 3
第24章 I Lesson 8回目
『チワワこと萩原琴海は、ご主人を探すワンコのように、ドアの前でウロウロしていた――――』

なんて文学風にしてみたりしても、落ち着かない気持ちは一向に誤魔化せない。

それは、この部屋の講師が、まだ出張から帰って来ていないからだ。

あぁぁ――――レッスン前に、少しでもセイジの顔を見たかったのにぃぃぃ!

元々こんな風に個人的に会いに来ること自体、禁じられていることなのだから、会えなくても仕方ないのだけど、願わくばセイジの残り香くらい嗅ぎたかった。

――――てか本当に、犬化し始めているな。

どうしてそこまで拘っているかと言うと――――午後から、立ち合いレッスン三回目が行われるからだった。

そう、いよいよあの『アラタ』の番なのだ。

アラタの私への態度の露骨さに、今日も色んな意味で無事に終わる気がしなくて、不安ばかりが募る。

だからせめて、セイジの顔が見れたら――――いや、声が聞けるだけでも良いの!

あの甘く優しい声で『琴海』って、一言囁いて貰えるだけでも勇気が湧いてくると思ったのだけど――――。

「甘かったか……」

出張に出て一週間くらい経つから、そろそろ戻って来ているかと期待していたんだけどな。
セイジは人気講師だから、姉妹校でも引っ張りだこのようだ。
それはそれで、複雑なんだよね。

「どんなレッスンしているんだろ……」

私もどうせなら、セイジとレッスンしたいよぉぉぉ!

夢を叶えるために女性講師にを目指して頑張って来たのに、スタンダードコースでセイジを独占していた頃が懐かしくなってしまう。

「楽しかったな……」

幸せだったパーツだけ記憶の中から取り出して、ふわふわ夢のような妄想に浸る――――。

出来ることなら、この妄想の海に溺れてしまいたい。

だけどいつまでも甘いことは言ってられなのが、厳しい現実。

「はぁぁ~せめて穏便に終われるように、頑張ろう……」

あと十分くらいで、午後のレッスンが始まってしまう。

早めに教室に戻らないとまたジュリに怪しまれると思いながらも、私は後ろ髪を引かれるような気持でいっぱいで、未練を断ち切るようにセイジの部屋の前から小走りで走り去った。


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