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初花凛々
第16章 夏深し
その日凛は早々と布団に入った。時刻はまだ21時を回ったばかり。


今日パソコンで見た図が頭から離れず、何も手につかずにいた。


____フェラチオ……素股……


麻耶の性器を咥えてみたい……と思うのは凛の本音だった。


____麻耶のあそこを、私のあそこにくっつけたらどうなるのかな


凛は何度も頭に浮かべては、身体の奥が熱くなるような、不思議な感覚に陥った。









「はよー」

「ん?ぎゃっ!」


翌朝、会社のエントランスで麻耶におはようと朝の挨拶をされて、凛は驚いて変な声が出た。


「あやしいーその反応ー」


麻耶は凛の頬をちょんと指でつついた。


細長くて、綺麗な指先。


凛はいつもこの指によって、ぬるぬるした液で股を濡らされている。


私も麻耶の気持ちいい顔が見てみたい________


凛は再びそう思い、やはり頭をよぎるあの淫らな絵面。


浮かべるたびに凛は一人熱くなる。


「熱でもあんの?」

「え?ないと思うけど……」

「なんか顔赤くない?」


きっとそれはあのことを考えているから。だけどそんな事を言えるはずのない凛は、黙り込むしかなかった。


「なんでもないよっ」


また、凛は下手な嘘を吐いた。そんな誤魔化しを麻耶が見抜けないはずがない。


「ほう」

「な、なに……」

「俺に言えないこと?」

「だからなんでもないってば……!」


麻耶は凛の弱点を知り尽くしている。耳元でそっと囁き、凛の秘密の紐を解くのなんか、麻耶にとっては容易いこと。


その時にちょうどエレベーターがつき、乗り込んだ二人。このタイミングの良すぎる密室を麻耶が利用しないわけがない。


「言え」

「やっ……」


麻耶は凛の耳に唇を寄せ、優しく噛んだ。


「あ、あの……」


凛はあっさりと、胸の内を解放する。


「麻耶のこと、気持ち良くさせたいの」

「……へ?」


予想外の凛の言葉に、麻耶は目を丸くさせた。


「麻耶のここ、触りたいの!」


凛は麻耶のそこを指差した。


その瞬間に開いたエレベーターの扉。


開いたその先には、西嶋が立っていた。


麻耶のあそこを指差した凛。


その光景を目の当たりにした西嶋もまた、麻耶と同じく目を丸くさせていた。
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