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初花凛々
第46章 立夏
「今回当たりだな」
その日の昼休み、社食で隣の卓に座っていた野村がそんな話をしていた。
野村の言う当たりとは、そう、本日やってきた彼女のことだと凛もすぐにピンときた。
「名前からして、可愛すぎる。」
名は体を表すとはこのことだと、野村が褒め称えた彼女の名前は佐藤百合花。
たしかに、花の名前が入っていて、可愛らしいなと凛も思った。
「へぇ。じゃ私も可愛いってこと?」
いきなり背後から声がして、振り返るとそこに立っていたのは如月。
営業部のトップだ。
野村もそれには驚き、目をまん丸にして如月を見ていた。
「私も名前に花がつくんだけど」
凛は人事だが、今の今まで、如月の名を知らなかった。
でも如月は意地は悪いが見た目は本当に美しいので、名は体を表すというのは本当かもしれないと凛は思った。
「如月さんは、なんの花なんですか?」
凛がそう問いかけると、如月は口の端を少しあげながら、「私はかすみ。かすみ草。漢字は違うけど。」と言った。
「…まぁ、可愛いからってあんまいじめんなよ」
「そんなことしません」
「いやいや、前科があるから言ってんの」
あーだこーだと野村とそんなやりとりをする如月かすみを横目に、凛は席を立った。
なんとなくだけれど、如月は前よりも雰囲気が柔らかくなったような。
そんな気がしながら、その場をあとにした。
その日の昼休み、社食で隣の卓に座っていた野村がそんな話をしていた。
野村の言う当たりとは、そう、本日やってきた彼女のことだと凛もすぐにピンときた。
「名前からして、可愛すぎる。」
名は体を表すとはこのことだと、野村が褒め称えた彼女の名前は佐藤百合花。
たしかに、花の名前が入っていて、可愛らしいなと凛も思った。
「へぇ。じゃ私も可愛いってこと?」
いきなり背後から声がして、振り返るとそこに立っていたのは如月。
営業部のトップだ。
野村もそれには驚き、目をまん丸にして如月を見ていた。
「私も名前に花がつくんだけど」
凛は人事だが、今の今まで、如月の名を知らなかった。
でも如月は意地は悪いが見た目は本当に美しいので、名は体を表すというのは本当かもしれないと凛は思った。
「如月さんは、なんの花なんですか?」
凛がそう問いかけると、如月は口の端を少しあげながら、「私はかすみ。かすみ草。漢字は違うけど。」と言った。
「…まぁ、可愛いからってあんまいじめんなよ」
「そんなことしません」
「いやいや、前科があるから言ってんの」
あーだこーだと野村とそんなやりとりをする如月かすみを横目に、凛は席を立った。
なんとなくだけれど、如月は前よりも雰囲気が柔らかくなったような。
そんな気がしながら、その場をあとにした。