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初花凛々
第3章 朧月の夜
銭湯から出ると、月は雲に隠れ、その姿をあやふやにしていた。
_____私も、今すぐ隠れたい。
「さぁ行こう」
須田は、凛の手を繋いだ。
そう、それもまた恋人の振る舞いのように、ごく自然に。
_____ちょ、ちょっと!
男性と手を繋いだことのない凛は激しく動揺した。
けれど、"そんなことさえ経験したこともないのか"と、馬鹿にする須田が容易に想像出来る凛は、癪なので黙ることにした。
須田が出してきた"タダではない条件"というのはなんだろう?
まだ聞いていないけれど、凛はこうして連れ出された。
「ねぇ、須田くん!」
「んー?」
決してときめいている訳ではないが、ドギマギしながら凛は問う。
この不意に繋がれた手が、出される条件はなんなのかと不安を煽ってくる。
_____そういえばこの須田という男、軽さとテクニックは天下一品!という噂を凛も耳にしたことがある。
_____テクニックって、なんのテクニックなんだろう?
それは年頃の男女ならピンとくる所だが、経験のない凛にとっては何のことかまるでわからなかった。
軽いことで有名な須田は、社内のオンナを食いまくるという話だって聞いたことがある。
食べるってどういうこと?というトンチンカンな質問をして、凛は新山に笑われたことを思い出した。
「……あの、黙ってくれる条件って……?」
凛は恐る恐る、須田に問いかけた。
そんな凛に対し、「手、冷たくね?」須田は答えになってない言葉を返した。
_____私も、今すぐ隠れたい。
「さぁ行こう」
須田は、凛の手を繋いだ。
そう、それもまた恋人の振る舞いのように、ごく自然に。
_____ちょ、ちょっと!
男性と手を繋いだことのない凛は激しく動揺した。
けれど、"そんなことさえ経験したこともないのか"と、馬鹿にする須田が容易に想像出来る凛は、癪なので黙ることにした。
須田が出してきた"タダではない条件"というのはなんだろう?
まだ聞いていないけれど、凛はこうして連れ出された。
「ねぇ、須田くん!」
「んー?」
決してときめいている訳ではないが、ドギマギしながら凛は問う。
この不意に繋がれた手が、出される条件はなんなのかと不安を煽ってくる。
_____そういえばこの須田という男、軽さとテクニックは天下一品!という噂を凛も耳にしたことがある。
_____テクニックって、なんのテクニックなんだろう?
それは年頃の男女ならピンとくる所だが、経験のない凛にとっては何のことかまるでわからなかった。
軽いことで有名な須田は、社内のオンナを食いまくるという話だって聞いたことがある。
食べるってどういうこと?というトンチンカンな質問をして、凛は新山に笑われたことを思い出した。
「……あの、黙ってくれる条件って……?」
凛は恐る恐る、須田に問いかけた。
そんな凛に対し、「手、冷たくね?」須田は答えになってない言葉を返した。